不動産用語集

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めんきょのきじゅん(はいぎょうとう)

免許の基準(廃業等)

宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、宅地建物取引業の免許を申請した場合には、一定の事由に該当する場合には、免許を与えることができないです(宅地建物取引業法第5条第1項:免許の基準)。

この免許の欠格事由の一つとして、過去に免許の取消しをされた個人や法人の役員については、5年間は個人として免許を受けることができないとされている(法第5条第1項第1号、第2号)(役員の場合に関して詳しくは免許の基準(役員の連座)へ)。

しかし、この法第5条第1項第1号および第2号の規定では、聴聞の公示の日以降に宅地建物取引業自体を廃業し、または法人自体を解散または合併により消滅させて、免許取消し処分を不当にまぬがれた個人や法人が対象外とされてしまいます。

そこで、法第5条第1項第2号の2および第2号の3では、こうした不当な廃業・解散・合併消滅についても、免許の欠格事由に該当することとしている。具体的には次のとおりです。

1.対象となる個人または法人
次の1)・2)・3)に該当する悪質な違反行為を犯し、免許取消し処分に係る聴聞の日時・場所が公示された個人または法人が対象となります。
1)不正の手段により免許を受けたこと(法第66条第1項第8号)
2)業務停止処分に該当する行為((法第65条第2項の行為)を行ない、特に情状が重いこと(法第66条第1項第9号))
3)業務停止処分を受けて、業務停止処分に違反したことです(法第66条第1項第9号)

2.対象となる廃業・解散・合併消滅
次のように、聴聞の公示日以降における廃業の届出・解散の届出・合併消滅が対象となります
【注:●廃業の届出、解散の届出、合併による消滅について相当の理由がある場合には、免許の欠格事由とならない(例えば個人が重病で廃業するなどです)。
●聴聞公示日以降に破産した場合には、免許の欠格事由とならないです。これは免許取消し処分を免れるために故意に破産することは通常考えにくいという理由にもとづく。
●聴聞公示より前に、廃業の届出、解散の届出、合併による消滅がなされた場合には、個人・法人役員について免許の欠格事由が生じることはない。法第5条第1項第2号の2および第2号の3は、聴聞公示がなされた場合に適用される規定であり、聴聞公示がなされないならば適用されないからです】

A)個人の廃業の届出
上記1.の1)・2)・3)に該当する個人が、免許取消し処分に関する「聴聞の日時および場所」が公示された日以降、免許取消し処分の日(または処分しないことが決定された日)までの期間内に、宅地建物取引業の廃止の届出(法第11条第4号)を提出したことです。
この場合には、廃業の届出から5年間、その個人に免許の欠格事由が生じます。

B)法人の廃業の届出
上記1.の1)・2)・3)に該当する法人が、免許取消し処分に関する「聴聞の日時および場所」が公示された日以降、免許取消し処分の日(または処分しないことが決定された日)までの期間内に、宅地建物取引業の廃止の届出(法第11条第4号)を提出したことです。

この場合には、「聴聞の日時および場所」が公示された日の60日前以降にその法人の役員(※)であった者に免許の欠格事由が生じる(これは、宅地建物取引業の違反行為から聴聞公示日までの期間内に役員を辞職して逃れようとする役員を捕捉するための役員連座規定です)。
その役員に関して免許の欠格事由が生じる期間は「廃業の届出から5年間」です(「役員辞職から5年間」ではないことに注意)。
※宅地建物取引業法第5条第1項(免許の基準)における「役員」とは、その名称の如何を問わず、実質的な支配力を有する者を含むという幅広い概念とされています(詳しくは役員(免許の基準における~)を参照のこと)。

C)法人の解散の届出
これは、上記B)の「宅地建物取引業の廃止の届出(法第11条第4号)」を「法人の解散の届出(法第11条第5号)」に置き換えただけで、それ以外は全く同じです。
その役員に関して免許の欠格事由が生じる期間は「解散の届出から5年間」です。

D)法人の合併による消滅
これも、上記B)の「宅地建物取引業の廃止の届出(法第11条第4号)」を「法人の合併による消滅」に置き換えたものです。
ただし、その役員に関して免許の欠格事由が生じる期間は「合併による消滅から5年間」です(「合併による消滅の届出から5年間」ではないことに注意)。

以上のように、聴聞公示後になされた不当な廃業の届出・解散の届出・合併消滅については、届出または合併消滅から5年間にわたり免許の欠格事由が生じることとされています。
参考文献:
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